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サイト運営 2026年08月31日

EC運営業務が属人化する原因5選|解消方法とともに解説

ECサイトの運営には、商品登録や受注処理、在庫管理、問い合わせ対応、販促施策、データ分析など、さまざまな業務があります。業務範囲が広く専門的な知識も必要になるため、特定の担当者しか対応できない「属人化」が起こりやすい点に注意が必要です。

EC運営業務が属人化すると、担当者の不在時に業務が滞ったり、退職・異動によってノウハウが失われたりする可能性があります。

本記事では、EC運営業務が属人化する原因や生じるリスク、属人化を解消する方法について解説します。

EC運営業務における属人化とは、特定の担当者だけが業務の進め方や必要な情報を把握しており、ほかの従業員では対応が難しくなっている状態です。
属人化そのものが必ずしも問題になるわけではありません。
専門的な知識や経験を持った担当者が業務を行うことで、効率や品質が向上する場合もあります。

しかし、その担当者がいなければ業務を進められない状態になると、安定したECサイトの運営が難しくなります。

● 属人化と標準化の違い

属人化された業務では、特定の担当者が持つ知識や経験、判断などに依存して業務が進められます。
担当者が対応している間は問題がなくても、休暇や退職などで不在になると、ほかの従業員では適切な対応ができない可能性があります。

一方、標準化とは、業務の手順やルール、判断基準などを整理し、複数の担当者が同じ方法で業務を行えるようにすることです。
作業方法のマニュアル化などが該当します。
ECサイトを安定して運営するには、個人が持つノウハウを組織で共有し、必要な業務を標準化していくことが重要です。

● EC運営業務は属人化しやすい

ECサイトの運営は、属人化が起こりやすい業務の一つです。
EC運営は、在庫管理や顧客対応、サイト更新、広告・販促、売上分析など幅広い業務への対応が必要です。

さらに、複数のECモールや自社ECを運営している場合、それぞれのシステムの操作方法や規約、販売方法なども把握しなければなりません。

日々の業務を担当する中で身につけた知識やノウハウが共有されていなければ、経験を積んだ担当者に情報が集中します。

その結果、「この作業は○○さんしか分からない」といった状態になり、属人化が進んでしまいます。

EC運営業務の属人化は、担当者個人だけの問題ではありません。業務フローや人員体制、情報共有など、さまざまな要因によって発生します。

ここでは、EC運営業務が属人化する代表的な原因を5つ紹介します。

EC運営業務は範囲が広く、さまざまな作業への対応が必要です。
さらに、複数のECモールと自社ECを併用している場合は、販売チャネルごとに商品情報を更新したり、受注情報を管理したりする必要があります。

ECモールごとに操作方法や規約なども異なるため、販売チャネルが増えるほど業務は複雑になりやすいでしょう。

業務全体の流れが整理されていなければ、長期間EC運営を担当している従業員しか必要な作業や対応方法を把握できなくなる可能性があります。

● 特定の担当者に知識やノウハウが集中している

長期間同じ担当者がEC運営を行っている場合、業務に必要な知識やノウハウがその担当者に集中しやすくなります。
例えば、顧客から特殊な問い合わせがあった場合の対応方法や、過去に発生したトラブルへの対処方法などは、日々の経験によって蓄積されるものです。
担当者自身は過去の経験からすぐに判断できても、その内容がほかの従業員に共有されていなければ、同じ状況が発生した際にほかの人では対応できません。

担当者に知識が集中するほど周囲が業務を覚える機会が減り、さらに特定の担当者へ仕事が集まる可能性があります。

● 業務フローやルールが標準化されていない

業務フローやルールが標準化されていないことも、EC運営業務が属人化する原因です。
同じ作業でも担当者によって手順が異なる場合、「どの方法が正しいのか」が分からなくなります。

作業手順や判断基準を明確にし、誰でも同じ方法で対応できる状態を作ることが属人化の防止につながります。

● マニュアル作成や情報共有ができていない

業務手順や注意点が担当者の頭の中だけにあり、マニュアルなどにまとめられていない場合も属人化しやすくなります。
また、マニュアルを作成していても、それだけで属人化を防げるとは限りません。

ECモールの仕様変更や社内の業務フロー変更などによって、実際の作業とマニュアルの内容が合わなくなる場合があります。
さらに、資料の保存場所が統一されていなければ、必要なときに情報を見つけられません。
マニュアルは作成するだけでなく、必要な人が確認できる場所に保存し、業務内容の変更に合わせて継続的に更新することが大切です。

● 人手不足で教育や引き継ぎに時間を割けない

EC運営の担当者が少ない企業では、教育や引き継ぎに十分な時間を確保できない場合があります。
その結果、経験のある担当者が一人で業務を抱え続ける状態になります。

さらに、担当者の業務量が増えれば、「ほかの人に教えるより自分で作業したほうが早い」と考えるようになる可能性もあります。

その結果、人手不足→教育する時間がない→担当者に業務が集中する→さらに教育する時間がなくなるという悪循環に陥ることもあるでしょう。

EC運営業務が属人化していても、担当者が通常通り業務を行っている間は、問題が表面化しない場合があります。
しかし、担当者の休職や退職などをきっかけに、業務や売上へ大きな影響が生じる可能性があります。
ここでは、EC運営業務の属人化によって生じる代表的なリスクを解説します。

● 担当者の不在によって業務が停滞する

特定の担当者しか業務内容を把握していない場合、その担当者が不在になると業務が停滞する可能性があります。
ECサイトでは、注文から発送までのスピードや問い合わせへの対応も顧客満足度に影響します。

担当者の不在によって対応が遅れる状態が続けば、顧客からの評価やECサイトへの信頼にも関わってくる恐れもあるでしょう。

● 退職や異動によってノウハウが失われる

担当者の退職や異動によって、EC運営に必要なノウハウが失われる可能性もあります。

日々の業務を通じて蓄積された知識には、マニュアルだけでは把握しにくいものもあります。

属人化してしまうと、後任者は業務を一から覚えなければならず、教育や引き継ぎに時間がかかります。引き継ぎが十分にできないまま担当者が退職すれば、ミスやトラブルが発生するリスクも高まるでしょう。

● 業務品質にばらつきが生じる

業務手順や判断基準が統一されていないと、担当者によって業務品質にばらつきが生じる可能性があります。
誰が担当しても一定の品質を保てる状態を作るには、作業手順や判断基準を明確にして共有することが重要です。

● 業務改善が進みにくくなる

属人化は、業務改善を妨げる原因にもなります。

特定の担当者しか業務内容を把握していなければ、現在の業務フローにどのような問題があるのかを組織全体で把握しにくくなります。
業務内容を可視化して複数の担当者で共有すれば、「この作業は省略できる」「ツールを利用したほうが効率的」といった改善点も見つけやすくなります。

ECモールと自社ECの併用効果を高めるには、それぞれの特徴を理解したうえで運用方法を設計することが大切です。

業務効率と売上の両面を意識した運用体制を構築しましょう。属人化を解消するには、単純に担当者を増やすだけではなく、誰でも一定の品質で業務を行える仕組みを構築することが重要です。

まずは現在の業務内容を可視化したうえで、標準化やマニュアル整備、情報共有などを進めましょう。

● 業務内容と担当範囲を可視化する

属人化を解消するには、まずEC運営で行っている業務を洗い出します。
業務を一覧にすれば、「誰が何を担当しているのか」が分かり、特定の担当者しか対応できない業務や、一人に多くの業務が集中している状態も把握しやすくなるでしょう。

すべての業務を一度に改善するのが難しい場合は、担当者の不在によって大きな影響が出る業務から優先して対策を進めます。

● 業務フローとルールを標準化する

業務内容を把握したら、作業手順や判断基準を標準化します。

担当者の経験や感覚だけに頼らず、「どの順番で作業するのか」「どのような場合にどう判断するのか」を明確にしましょう。

判断基準まで共有しておけば、経験の少ない担当者でも対応しやすくなります。

● マニュアルを作成して定期的に更新する

標準化した業務内容は、マニュアルとして残しておきましょう。

文章だけでは操作方法が分かりにくい場合は、画面のキャプチャや図などを利用する方法もあります。
なお、マニュアルは一度作成して終わりではありません。
古いマニュアルをそのまま使用すると、かえってミスにつながる可能性があります。更新する担当者やタイミングを決め、最新の情報を維持できる仕組みを作ることが大切です。

情報を共有できる環境を整える

業務に必要な情報を、複数の担当者が確認できる環境を整えることも重要です。
チャットツールや社内Wiki、クラウドストレージなどを利用すれば、業務に関する情報を共有できます。
担当者だけが情報を持つのではなく、必要な従業員が必要なときに確認できる状態を作ることが大切です。

● 複数の担当者が対応できる体制を構築する

一つの業務を一人だけが担当する状態を避け、複数の従業員が対応できる体制を構築しましょう。
マニュアルを作成しても、実際に作業した経験がなければ、担当者の急な不在時にすぐ対応できない場合があります。
そのため、定期的に担当業務をローテーションしたり、別の担当者にも業務を経験してもらったりする方法が有効です。
一人の担当者に依存しない体制を整えることが、属人化の解消につながります。

● ツールを活用して定型業務を効率化する

ツールを利用して定型業務を効率化することも、属人化対策の一つです。
EC運営では、在庫数の更新や受注情報の入力など、繰り返し行う作業が多くあります。

例えば、複数の販売チャネルの受注・在庫情報を一元管理できるシステムを利用すれば、担当者がそれぞれのECサイトを確認して手作業で情報を更新する負担を減らせます。

定型業務を効率化すれば、担当者の負担軽減だけでなく、手作業によるミスの防止にもつながるでしょう。

社内の人員やノウハウが不足している場合、通常業務を続けながら属人化を解消することが難しいケースもあります。

「属人化を解消するためにマニュアルを作りたいが、その時間を確保できない」という状態も考えられるでしょう。

その場合は、EC運営業務の一部または全部を専門会社へ委託する方法も選択肢です。

外部のリソースを利用すれば、社内担当者の負担を軽減しながらECサイトを運営できます。

● EC運営業務を外部委託するメリット

定型業務を外部へ任せれば、社内の担当者は販売戦略の立案や商品企画、データ分析など、自社で取り組む必要性が高い業務に時間を使いやすくなる点が最大のメリットです。

また、外部委託をしながら、自社でEC運営業務を行える社員を育成するか、それとも外部に完全に運営を外注するか時間をかけて話し合えます。

「ECサイトをいますぐ運営したいが、自社のリソースがない」といった場合にも外部委託の利用はおすすめです。

● 外部委託する業務の範囲を明確にす

EC運営を外部委託する場合、すべての業務を任せる必要はありません。

まずは現在の業務を洗い出し、自社で行う業務と外部へ委託する業務を整理しましょう。
現在属人化している業務や担当者の負担が大きい業務を確認し、「何を外部へ任せれば自社の課題を解決できるのか」を明確にすることが大切です。

● 外部委託する会社の得意分野や業務範囲は必ず確認する

EC運営業務を委託できる会社は複数ありますが、対応できる業務や得意分野は会社によって異なります。

外部委託先を選ぶ際は、自社が利用している販売チャネルへの対応実績があるか確認しましょう。

EC運営業務は対応範囲が広く、専門的な知識や経験も必要になるため、特定の担当者へ業務やノウハウが集中しやすい傾向があります。

属人化を放置すると、担当者の不在や退職による業務停滞、ノウハウの喪失、業務品質のばらつきなどが出る恐れがあるため、早急な改善が必要です。

自社の人員やノウハウだけで属人化を解消することが難しい場合は、EC運営業務を外部の専門会社への委託も検討してみましょう。

自社の課題や運用体制を整理したうえで、属人化を防ぎ、安定してECサイトを運営できる仕組みを構築しましょう。

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